西三河地区にある豊田市、岡崎市には有名建築家がデザインした建築物がいくつか存在します。
建築物に興味のあるセンスある読者様に向けて「豊田市・岡崎市の有名建築物」を紹介します。
建築物と一緒に建築家も紹介するので、お好きな建築家をお探しください。
豊田市の有名建築と建築家
①逢妻交流館|妹島和世
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豊田市駅から車で10分の位置にある地域のコミュニティ施設。金沢21世紀美術館やすみだ北斎美術館を手がけたことで有名な妹島和世氏が設計。
外観から特徴が溢れており、3階建ての建物は各階ごとにズラした配置となり、美しい曲線と人工的な設計でデザイン性を保ちながら公共施設としての役割を果たしています。
1階と2階はガラス張りの壁となり小ささを感じない開放的な感覚を与えつつ外からの外的要因をシャットダウン。3階では、一部(共同スペースの壁)にガラス面を採用しつつ外との境界線を薄くするため金網で囲われています。通気性が良いことに加え、一面を覆う壁と違い内と外を干渉させることで展望としての役割も担っています。(あくまで推測)
3階には屋根としての役割を持つ天井も設置されており太陽からの紫外線や雨、雪など外的要因を遮つつ、所々に円形の吹き抜けを施しデザイン性も確保されています。
また、交流館というだけあって公共の場として利用されており、室内には会議室・多目的ホール・調理実習室・和室など複数の共同スペースがあります。
全ての区切られた共同スペースは円柱形で囲われており、外観と同様に曲線を活かしたデザインとなっています。隣り合わせの共同スペースの間は場所によって幅が異なり、狭く細まっているところや広く大胆なところがあり、設計士としての技術力が伺えます。
住所 | 〒471-0049 愛知県豊田市田町3-20 |
開館日・利用時間 | 火曜日〜日曜日 午前9時~午後9時 |
休館日 | 毎週月曜日(祝日を除く) および年末年始(12月28日〜翌年1月4日) |
連絡先 | TEL:0565-34-3220 e-mail:ph-aizuma@city.toyota.aichi.jp |
URL | http://ph-toyota.jp/guide/aizuma/ |
駐車場 | 100台 |
②美術館松欅堂(しょうきょどう/きょうきょどう)|原広司
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豊田市駅から車で25分と少し離れた位置にある個人美術館。札幌ドームや京都駅を手がけたことで有名な原広司氏の建築。
現在は、閉業してしまっているが2010年ごろまでは開館しており、作家さんの展覧会として利用されていました。
外観の特徴として、まず目に留まるのは屋根だ。意図的なのか経年なのか詳しいことはわからないが、三角屋根であるものの少し楕円を描くような形をしている。古い家や城などでも瓦の三角屋根を多く見受けられるが、形状はどれも直線的でシャープな印象を受けるのに対し、楕円状の三角屋根に設計することで和らげています。
裏手から見上げるとこれまた見かけない3つ連なった三角屋根。残念ながら中から見ることが出来なかったので、どんな用途で作られたのか気になるところだが、外観を彩る一つの特徴。
壁をよくみると一部補修がされている箇所があり、全面補修しなかった理由が気になるところ。黒い建物の横には工場が併設されており、こちらも用途が不明だが美術館の敷地内にあるのは珍しい。
ポスターや開業案内の張り紙、標識などがそのまま残っており、当時の匂いを味わうことができます。
(パーキングの標識に書いてある文字のフォントがカッコE)
住所 | 〒473-0914 愛知県豊田市若林東町東山13 |
開館日・利用時間 | 閉業 |
駐車場 | 数台(敷地内の空きスペース) |
③豊田市美術館|谷口吉生
言わずもしれた豊田市を代表する建築「豊田市美術館」。建築を手がけたのは、ニューヨーク近代美術館MoMAでも有名な谷口吉生氏。
水平と垂直を活かした直線的な建築が特徴です。写真6枚目、屋根にできた影が屋根を支える柱に直線的に映るところまで計算されていると考えるとゾクゾクします。例えば柱が屋根の半分ではなく端まで設計されていたら、この計算され尽くした見え方もしなかったでしょう。
建築物の大きさからも角度を変えることで見え方が全くの別物となるのも当建築の醍醐味です。
住所 | 〒471-0034 愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1 |
開館日・利用時間 | 火曜日〜日曜日 午前10時~午後17時30分(入場17時) |
休館日 | 毎週月曜日(祝日を除く) および年末年始(12月28日〜翌年1月4日) |
連絡先 | TEL:0565-34-6610 |
URL | https://www.museum.toyota.aichi.jp/ |
駐車場 | 乗用車248台、バス7台 |
岡崎の有名建築と建築家
①西光寺|SUPER-OS(吉村靖孝+吉村真代+吉村英孝)
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岡崎駅から車で25分、岡崎市の中でも豊田市よりの井ノ口町に位置する宗教施設。設計は夫婦・兄弟でユニットを組むSUPER-OS。代表作にフィズ、ドリフトなどがあげられる。
ピラミッドのような形状に壁面を板金剥き出しで作ることで歴史と現代を組み合わせた異様な雰囲気を漂わせる。ところどころ錆が見受けられるが、実は錆をコーティングとして用いることで内側の外壁を守るコールテン鋼という素材が使われているそう。
ガラスの配置が上下にズラしてあるのも秀逸なデザイン。
室内は階で別れているのではなく、一つの空間として成り立っている。
住所 | 〒444-2133 愛知県岡崎市井ノ口町片坂46 |
行事案内 | http://saikouji-onisi.net/houyou-saikouji/ |
連絡先 | TEL:0564-21-9775 |
URL | http://saikouji-onisi.net/ |
駐車場 | 20台程度 |
豊田・岡崎の有名建築・建築家まとめ
筆者は建築家でもなんでもないので建築の知識は皆無で偏見になるが、直線の設計は曲線の設計より建物を建てる上で負担が少ないように感じる。(逆に一直線でないと魅力が損なわれるので少しの曲がりも許されないのが難しそうだが)
そのため建築としての技術の高さは曲線の設計であると感じる。個人的に直線の設計の方がシャープな印象を写真に収めることができるのでカメラマンとしては直線推し。
これから建築についての知識や感性を高めていけたら紹介する際にも役立つので精進していく所存だ。